「褒める子育て」は子どもの心の成長に大きく役立つと言われていますので、実践中のママもたくさんいるでしょう。また「叱ってばかりで褒めることが足りないかも…」と不安を感じるママも少なくないのではないでしょうか。
一方で、褒める子育てに対して批判的な意見も出始めています。褒めるだけ、褒めすぎはかえってよくない影響を子どもに与えてしまうと考える人もいるようです。
掘り下げていくと、やはりポイントは「褒め方」にあるようです。
さらに褒める子育てにシフトチェンジしたいと思っても、イヤイヤ期や反抗期、やんちゃな子どもを褒めて育てるのはなかなか難しいですよね。そこで、褒める育児を成功させる、”褒め方のコツ”について考えてみましょう。
褒める子育ての長所と欠点…「褒めるだけ育児」の危険
褒めることは育児に欠かせないものですが、褒めるだけの育児にかたよってしまうとかえって育児に良くない影響を与えることもあるようです。褒める育児のメリットとデメリットについて調べてみました。
長い間、良い育児方法とされてきた、心を育む「褒める子育て」
現在のパパママ世代が子どもだったころくらいから、世間では「褒める子育て」が提唱されるようになってきたと言われています。20世紀の後半くらいからさかんに言われるようになり、現在でも根強い人気があります。
その昔、子どもは非常に厳しく育てられていました。子どもがいたずらや悪いことをすれば親が激しく叱りつけたり、叩いたりすることも珍しくありませんでした。さらに学校でも、先生は子どもに対して時に厳しく接していました。
子どもたちは、親や先生など身近な大人を「怖い存在」と認識していましたし、学校で体罰のような事がが行われても黙認されていることも多々ありました。
しかし、こういった状況は子どもの心の育ちに良くない影響を与えるのではないか、と考えられるようになっていったのです。
一方で子どもを叱るのではなく、褒めて育てることでそれまで見落とされてきた子どもの心の豊かさを育むことに良い影響を与えると考えられるようになってきました。子どもの心が重視される時代になってきたのです。
また子育てのノウハウ本がよく読まれるようになり、多くのママたちが「良い育児・良い子に育てる方法」を模索するようになったことも、その理由のひとつでしょう。
褒める育児は、これまでに幾度もいろいろな人が提唱しています。褒められることの心地よさ、嬉しさは誰もが知るものなのでママにとっても納得しやすいですよね。
また多くのママにとって、理想の母親像は「優しくて包容力のある、笑顔の素敵な女性」ではないでしょうか。
褒める子育てを実践することで、ママ自身が理想の母親に近づくことができるというメリットがあります。
「褒める」で自信を育て自分をコントロールできる人に育つ!
では、なぜ子育てにとって褒めることが必要なのでしょうか。褒められると、私たちの脳の中でさまざまな変化が起こります。たとえば子どもがママの笑顔を見ると、ドーパミンという物質が分泌されるといわれています。
ドーパミンは幸せや快感を覚えた時に出る脳内物質です。本能が満たされたり、成功体験を得たりすると分泌されます。
子どもにとって、ママが笑顔になってくれることは、快感や本能の欲求にも匹敵する大きな喜びなのです。
それに対して、ドーパミンは幸福物質と呼ばれ、幸せを感じている際に分泌されます。
さらに、心を安らかに落ち着かせる、セロトニンという物質も分泌されます。セロトニンは異常行動をおさえたり、心の痛みを和らげるような働きをします。
私たちが心の底からリラックスを覚える時、脳内ではセロトニンが分泌されているそうですよ。
セロトニンは、愛情によってはぐくまれると言われているのです。子どもが両親によって安らぎを与えられていると、正常に分泌されます。
逆に虐待やネグレクトなど、子どもが親に否定され続けると、セロトニンは正常に分泌されなくなると言われています。すると不安や恐怖が強くなり、感情のコントロールがうまくできなくなったり、ストレス耐性が弱くなる可能性があるといわれています。
セロトニンは(中略)心のバランスを整える作用のある伝達物質です。そのためセロトニンを増やすことで精神的な安定が得られると言われ、最近では「幸福物質」や「幸せホルモン」と呼ばれテレビなどでも取り上げられるようになりました。
褒めることは、子どもにとって大きな快感・幸せ体験です。褒められることでドーパミンやセロトニンが分泌されるという点においては、やはり「褒める」ことは育児になくてはならないものと言えるでしょう。
また、子どもは親に褒められる経験を積むことで、自己肯定感や自信を培っていきます。
きちんと褒められなかった子どもは、自己肯定感や自信が育たず、不安が強くなったり、異常に自分に厳しい完璧主義者になることもあります。
自己肯定感は、大人になるにつれて挫折を味わう局面に立った時、それでも努力を続け這い上がる力を与えてくれます。いわば生き抜くパワーにつながるものなので、大切に育ててあげたいですね。
「褒めるだけ・褒めればそれでいい」訳じゃない!褒める子育てへの批判
しかし、褒める子育てに対して最近批判も出ています。実際に褒める子育てで育てられてきた人々が大人になって、自分自身に生きづらさを感じたり、褒める子育てを実践してきたママたちが疑問を感じることもあるようです。
奥田健次さんの『世界に1つだけの子育ての教科書』という著書もそのひとつです。話題となった本ですが、単に褒めるだけの子育てについて批判的な内容になっています。
他にも、褒める子育てが必ずしも良い結果に結びつくわけではないと考える人は少なくありません。
注目したいのは、多くの人が「褒める子育て」を批判しているのではなく、「褒めるだけの子育て」を批判しているという点です。
褒めることは、決して悪いことではありません。育児で親が子どもをまったく褒めなくなってしまったら、悪い影響を子どもに与えてしまうでしょう。しかし、褒め方にはコツがあり、ただ褒めていれば良い子に育つという単純なことではないのです。
ではなぜ褒めるだけの育児が批判されるようになったのでしょうか。こんな理由が考えられます。
- 才能や能力そのものを褒める→チャレンジ精神が培われなくなる
- 結果だけを褒める→負けること、失敗することに耐性がつかない
- 常に褒められている→褒められなければ頑張らなくなってしまう
- 誰かに褒められない→努力することに意味を見いだせなくなる
- 外から見てわかる価値だけを尊重し褒める→内面の価値に気付けない
アメリカの大学で、「頭がいいね」など知能を褒めるグループと、努力を褒めるグループにわけて成績を比べたところ、知能を褒めたグループの成績は下がり、努力を褒めたグループは成績があがったというデータが出たそうです。
このデータが全てではありませんが、「そういうことってあるかも」と感じるママも多いのではないでしょうか。たとえば幼いころはトイレに行ったり、ご飯を食べただけでも親は大げさに子どもを褒めますよね。
でも、できることが当たり前になってくると、だんだん親も褒めなくなります。しかし、褒められることでモチベーションを上げることが子どもにとって当たり前になっていると、「できたよ、褒めて」と子どもから要求するようになってきます。
幼児がママに「見て、えらいでしょ、褒めて!」と要求することはごく自然なことです。しかし子どもの成長に合わせてこちらの態度も、子どもの気持ちも変化させていく必要があるということですね。
子どもは、いずれ自分自身でモチベーションをコントロールできる能力を身につける必要があります。誰に褒められなくても努力を積み重ね、自分自身を高める人に育てるためには、どのように褒めれば良いのでしょうか。
子どもを上手に褒めているか、自分の育児を見つめ直すコツ
上手な「褒める育児」といっても、現在ママ自身がどれほど子どもを褒めているか、自分で判断するのはなかなか難しいことですよね。「褒めすぎていないかな」「褒めが足りないかも」という判断をするためのコツをご紹介します。
子どもを上手に褒めてるかのチェックポイント
- 兄弟で褒める頻度が違わないか?
- 叱った直後に、それができていたら褒める
第一子は褒められることが増える…兄弟で変わる「褒められ度」
実は、同じきょうだいの中でも、褒められ続けて育った子どもと、そうでもない子どもと差が出ることも多いのです。
一般的に、最初に生まれた長男長女は褒められて育つことが多く、下のきょうだいはそうでもないことが多いようです。
最初に生まれた子どもは、親にとっても未知の存在です。初体験の育児では、子どもができるようになるすべてのことが感動に結びつきますよね。言葉が遅い、トイレトレーニングがうまくいかないなど、一番悩むことが多いのも上の子でしょう。
また、親も子どもが1人しかいないので時間的な余裕があります。しかし精神的にいっぱいいっぱいになり、子どもに神経が集中しすぎてしまうことも少なくありません。育児に不安感が強いので、子どもから目が離せないママも多いですよね。
2人目以降になると、親は幼児と乳児の育児に追われて時間的には忙しくなります。でも経験があるので精神的には余裕が生まれ、良い意味で育児の「手の抜きどころ・息の抜きどころ」もわかってきます。
その結果、ひとつひとつの行動に対して親が過敏に反応していた第一子の時と違い、下の子は親も少し離れて見ることができるようになります。子どもの写真やビデオの数が、第一子と下の子では圧倒的に違う、という話もよく耳にしますよね。
第一子は褒めることが多くなる反面、叱られたり厳しくしつけられることも多いものです。長男長女は神経質で2人目以降はやんちゃ、などとも言われますが、短所は見方ひとつで長所へと変化させることができます。
神経質は細やかな観察眼や気配りスキルへ、やんちゃはたくましさへと変わっていきます。きょうだいの性格の差は親がその時々で真剣に頑張ってきた証しでもあるので、個性なのだとおおらかに受け止めましょう。
きょうだい間でできた性格の差で気になるポイントが大きくなってきた時は、幼いころの育児やパパママの子どもに対する対応をふり返ってみましょう。通り過ぎた今だからわかる違いに気付くきっかけになるかもしれません。
比較の対象がないと、ママ自身の子育てが「褒めすぎ」なのか「褒めが足りない」状態なのか判断しにくいものです。でも、きょうだい間で差ができていると、ママも自分の育児をふり返りやすくなります。
下の子から「僕はあまり褒めてもらえない」「ママは私よりお姉ちゃんばっかり褒めている」と言われたら、意識して褒めるようにしてあげたいですね。また第一子に対して過敏に褒めすぎていないか、少し距離をおいて客観的に見て見ましょう。
1人っ子の場合は、お友だちから指摘されることもあるようです。「○○ちゃんはママがいつも褒めてくれていいな、私は叱られてばっかり」とお友だちに言われたら、振り返る良いチャンスですね。
褒める所がないと悩んだら「叱る・褒める・褒める」の3ステップ
いざ子どもを褒めようと思っても、ある程度子どもが成長してくると「褒める所がない」と困ってしまうことがあります。幼いころなら些細なことで褒められたのに、成長すると多くのことが「できて当たり前」になってしまうのです。
逆に、些細なことが目について「叱るきっかけ・叱りどころ」ばかりが増えていきます。子どもがイヤイヤ期や反抗期にさしかかると、衝突することが増えて親も子どももイライラしてしまいますよね。
「お行儀が悪い」「片付けをしない」など、叱ることばかりで褒めるところが見つからない場合は、叱るポイントを褒めるポイントとセットにして考えましょう。叱って、改まったらそのときにきちんと褒めるようにしましょう。
食事の時に姿勢が悪かったり、行儀が悪いと、親は叱りますよね。叱って態度が改まっても、すぐに子どもは行儀が悪くなってしまうので、親は再び叱ります。その繰り返しで、親も子どももイライラしてしまうのです。
叱ったことに対し一度子どもの態度が改まったら、その時点で改まったことを認めて声をかけてあげましょう。「うん、良い姿勢になったね」「そう、きれいな食べ方ね」などの言葉を笑顔でかけて、大げさな言葉は必要ありません。
さらにポイントになるのは、数分後です。子どもの態度やお行儀が崩れてしまう前に、もう一度「姿勢よくなったじゃない、頑張っているね」「今日はお行儀が良いね、嬉しいわ」など、同じ行動を褒めてあげます。
これも大げさな言葉は必要ありません。ただ「やればできるじゃない、いつもそうやってやりなさいよ」など、子どもがカチンとくる言葉は避けましょう。1回叱っても、同じシーンで2回褒めることができますよ。
「叱る・褒める・褒める」の3ステップが基本です。何度も繰り返す問題点なら、再度「褒める」を繰り返し、成功体験を強化してあげましょう。
「褒めるだけ育児」にしない!子どもを成長させる褒め方のコツ
褒めるだけの育児では、子どもの心を豊かに育むことはできません。そこで、子どもが自分の気持ちやモチベーションを上手にコントロールする力をつける、上手な褒め方のコツを探してみましょう。
上手な褒め方のコツ
- 褒めるべき点を褒めて、褒め過ぎを防ぐ
- 努力や挑戦を認めるように褒める
「褒めすぎ」を防ぐ!褒めるべき点・褒めなくてもいい点の違い
年齢によって、褒めるべきポイントと褒めなくてもいいポイントは変わってきます。赤ちゃんのころは、おっぱいを吸うだけ、笑うだけでも親は嬉しくて何かにつけて笑顔で褒めちぎってしまうものですよね。
それは当然の愛情表現ですし、赤ちゃんはママやパパの笑顔を心の栄養にして育っていきます。赤ちゃんのころに降り注ぐ愛情を受けて育つことで、ドーパミンやセロトニンなど必要不可欠な脳内物質もしっかり分泌されるようになっていきます。
子どもが成長していくとともに、身辺自立も進んでいきます。身辺自立に関することは身についたなと感じたら褒める必要はありません。
サボりはじめるようになったら、自立強化のために前述した「叱る・褒める・褒める」の3ステップを試しましょう。
嫌いな食べ物を頑張って食べたり、幼稚園で賞をもらってきた時は褒めてあげたいですよね。そういった場合は、褒め方・褒める言葉がポイントになります。
「努力や挑戦を認める一言」が、自己肯定感や自信を育てる
苦手を克服したり何か目に見える結果を残せたときは、「結果」ばかりを褒めてしまいがちです。
でも、大切なのは「嫌いなものだけれど、頑張って口に入れてみよう」と思ったチャレンジ精神や、賞をもらうまでの努力ですよね。
いつも成長を見続けてきたママだからこそ、過程を認めてあげることが必要なのです。子どもを褒めるときは、必ず努力や挑戦を認める言葉をかけてあげましょう。
努力や挑戦を認める言葉の例
- 「頑張ったね!すごいね、えらかったね!」
- 「お兄ちゃんになったね、立派な年長さんになったね」
- 「ずっと諦めずに頑張ってきたものね。ママはちゃんと知っているよ」
- 「あなたの頑張りがみんなに認めてもらえて、ママも嬉しいよ」
またお手伝いなどを褒めるときは、感謝の気持ちをしっかり言葉にして伝えましょう。
「本当に助かったわ、ありがとう」と笑顔で伝えることで、子どもはママの役に立てたんだ、と自尊心を育てることができます。
特に、家族がみんな集まっているときは、きちんと子どもを認める言葉や感謝の気持ちを伝えてあげるようにしましょう。人目がある場所で叱ると自尊心が傷つきますが、人目がある場所で認められることは誇りを育てることにつながります。
褒められることは、本能を満たしたり快感を得ることと同じくらい強いモチベーションになります。褒められる快感がくせになっていると、常に「見られること・褒められること」を求めるようになります。
小さな子どもが「ママ、見て見て!すごいでしょ!」とつきまとうのはほほえましいものですが、大人になってもモチベーションを維持するために他人に対して同じ欲求をしているのでは、困ることになります。
そこで子どもの欲求を「見られること・褒められること」から「認められること・役割を果たすこと」に変換していきましょう。
派手な結果が出なくても、親はちゃんと自分を見てくれている、陰の努力も認めてくれると理解させましょう。
成長すると「おこづかい目当てじゃなければお手伝いもしない」という話を耳にします。でも、家族の中でちゃんと努力や役割が認められている子どもは、親が言わなくてもきちんとお手伝いをしてくれるようになります。
集団・社会の役に立ったり、役割を果たすことの喜びを知る子どもには、自然と責任感も育っていきます。努力を認めてしっかり褒め、役割を果たすことに感謝を伝えてあげることが、上手な褒め方のコツなのです。
人生のつまずきを乗り越える子に!子どもの不安や悩みの受けとめ方
子どもは、褒めるだけでは伸びないと言われています。その点が、「褒める育児」への批判になっていますよね。では、褒める以外に何が必要なのでしょうか。
「褒める育児」をやめるのではななく、「褒めるだけの育児」にかたよらないことが大切なのです。褒めなければ愛情が伝わらないのではないか、と不安に感じるかもしれませんが、それは違います。
虐待や無視・ネグレクトの対極にあるのが「褒める育児」ではありません。褒めることが子どもに対する愛情表現のすべてではないのです。
虐待など、子どもの心を傷つける育児の対極にあるのは、親が子どもを受けとめ、認めることです。
ときには子どもも不安や悩みなど、決して親に褒められない負の感情を抱えることもあります。でも「褒められること」だけを快感に感じ、愛情表現だと思っている子どもにとって、不安や悩みを親に向かって素直に吐き出すことはおそらく難しいことでしょう。
でも、決して結果が出なかった努力やうまくいかなかったお手伝いも、過程をきちんと認められて育った子どもは、「自分が負の感情に負けそうになっていても、親は受けとめてくれるかもしれない」と考えられるようになるでしょう。
厳しい社会の中で努力が100%実り、周囲に完全に認められる人などいません。挫折や失敗の繰り返しの中で、自分の役割を果たしていくことが社会人の日常です。つまずきに挫けず乗り越える力こそ、生き抜くために必要となるスキルです。
「失敗もある。努力が実らないこともある。不安や嫉妬でつらい日があってもいいんだよ。それでも頑張っている君を、パパとママはちゃんと知っているし、そんな君を愛しているよ」と伝え続けることは、褒めることに匹敵する心の栄養です。
褒めるだけでなく、目の前にいる等身大の子どもを認め、さらに向上心や努力、未知の領域へ挑戦していくチャレンジ精神を称えてあげたいですね。これをしてあげることで子どもの自己肯定感や自信に、しっかりとした根が張ります。
褒めるだけの育児では、自己肯定感や自信は育っても、その根が張る土台となる子どもの内面を掘り下げ、豊かに育てることができません。上手に組み合わせることで、子どもの心を多角的に育んであげましょう。
不安を吹き飛ばし、プレッシャーにならない上手な「励まし」
しかし、「頑張っているね!努力することは大切だからね!」と、努力する面ばかりを褒めていると、子どもは過剰に頑張り続けるようになってしまうこともあります。大人でも、過度の期待は重荷になりますよね。
必要以上のプレッシャーをかけてしまうと、子どもが重荷に押しつぶされてしまうこともあります。また、子どもは成長するとともに親の「努力賞賛」の裏側に、言葉にしない期待を見抜くようになります。
子どもが不安に思っている時、一歩が踏み出せずにいる時に、そっと背中を押してあげたり、本当に努力が実った時に独立した1人の人間として称えてあげるために励ましの言葉+褒め言葉を伝えてあげましょう。成長とともに、褒め言葉や励ましも変化させていきましょう。
子どもが幼いうちは叱ることも多いので「叱る・褒める・褒める」の3ステップの中に、励ましを織り込んでいきましょう。中だるみしやすい「褒める」と「褒める」の間に、励ましをはさんであげても良いですね。
叱られた時は、子どもが努力を認められたと理解しやすいシチュエーションです。親も子どもの成長と歩幅を合わせて、努力を褒める訓練を積んでいきたいですね。
「褒める」よりも「認める」が、心を強くしなやかに育てる
子どもにとって、褒められることや肯定されること、認められることは心に注ぐ恵の雨です。しかし、体に必要な栄養が成長とともに変化するように、心に必要な言葉・愛情の形も成長とともに変化します。
褒める育児とは、広い意味でとらえれば「子どもを認め、肯定的な言葉がけで育てる育児」です。叱ったらひねくれてしまう、という意味ではありません。
逆に叱った時こそ褒めるチャンスと考え、上手に「褒め」と「励まし」を使いこなしましょう。
褒め言葉に悩んだら、「言ってもらうと嬉しい言葉」を子どもに訊いてみましょう。「ありがとう、助かったわ」「偉いね!すごいね!」「頑張ったね、ママも嬉しいわ」など、意外と具体的な答えが返ってくるかもしれません。
子どもが成長する時は、親もまた人間として成長する時です。子どもと一緒に今必要な心の栄養を模索しながら、上手に「認めて、励まして、褒めての子育て」を実践していきましょう。